@duginjp: ↩️ 「リベラル独裁政権」 ディープステートは、民主主義体制の下で、イデオロギーを是正し、統制する機関として現れます。この表から見えない権力には合理的な...
「90年代のロシア連邦におけるディープ・ステート」 最後に、ロシアにおけるディープステートの原則を適用してみましょう。ロシアの文脈では、この用語が極めて稀にしか使われないか、ほとんど使用されないという特徴があります。しかし、これはロシアにディープステートのようなものが存在しないことを意味するわけではなく、むしろ重要な民衆の支持を得た政治勢力がディープステートと対峙することがまだないことを示しています。それでも、「ロシアのディープステート」と呼べるような存在について、一定の条件付けて説明することは可能です。…
「リベラル独裁政権」
ディープステートは、民主主義体制の下で、イデオロギーを是正し、統制する機関として現れます。この表から見えない権力には合理的な説明が存在します。それはこうした超民主主義的な調整役がなければ、リベラルな政治体制は変化する可能性があるからです。つまり、国民が代替の道を提案する勢力を選ぶ可能性がある以上、体制維持の保証はないのです。実際、トルコのエルドアン、米国のトランプ、欧州のポピュリストたちは、この挑戦に成功しつつありました。しかし、ポピュリストたちとの対立が深まると、ディープステートは影から姿を現さざるを得なくなります。
トルコの場合は、ケマリスト軍の支配が歴史的伝統の名残りでもあり、その登場は容易でした。しかし、アメリカやヨーロッパの場合、強制や全体主義的な手法で法を破りながら活動するイデオロギー的な組織の存在が明らかになると、民主主義神話への信頼が深く傷つくため、スキャンダルとなります。
ディープステートは、オーウェルの『動物農場』にある「一部の民主主義者は他の民主主義者よりも民主的である」という皮肉なテーゼに基づいているとも言え、一般市民がこれが独裁であって、全体主義であると言う考えは的を射ています。唯一の違いは、一党独裁の全体主義が公然と活動するのに対し、複数政党制の上に立つ表から見えない権力は、その存在自体を隠さなければならないという点です。
今や、そのような隠蔽はもはや不可能であり、私たちはディープステートが単なる陰謀論の産物から、政治的・社会的・イデオロギー的に明確で実体のある現実と認識した世界に生きており、真実を見据える方が賢明です。ディープステートは決して軽視できない現実なのです。