「モルドバとその歴史」
モルダヴィアの歴史は、ゲト=ダキア(ルーマニア)の歴史と有機的に結びついていますが、いくつかの独自の特徴を持っています。当初、モルドバの地域には、ダキア人に近いものの異なる民族であるトラキア系のゲタエ人が住んでおり、ゲタエ人の居住地は大草原に隣接する形でトラキア世界の最東端を形成していました。おそらくより後の時代には、トラキア人はさらに東方にも広がっていったと考えられますが、モルドバにおいては彼らの東の境界が徐々に確定し、スキタイ人、サルマティア人、後にはゲルマン系のゴート人、フン族、アヴァール人、マジャール人、トルコ系の人々、モンゴル人といったツラン系の侵略が絶え間なく続きましたが、ゲタエ人はモルダヴィアに留まり続けました。