「テクノロジーによる殺戮が始まるとき」

25.09.2024

レバノンで発生したポケベルやラジオ、電話、さらには家電製品の爆発事件には複数の側面がありますが、ここでは特に重要な3点に焦点を当てます。

まず第一に今回の事件は、イスラエルによる明白な集団テロです。ガザで行われていることを見れば、もはや驚くことはないと感じるかもしれません。しかし、それでも私たちは驚かされました。このテロ行為はヒズボラではなく、レバノンの一般市民を標的としています。何千もの爆発したポケベルやラジオ、電話は、子供たちの手にも渡っていました。

現在、イスラエルをテロ国家と呼ばずに語ることは難しいと言えます。同様にイスラエルのテロ行為を全面的に支持するアメリカや、現政権の民主党も同じです。世界的な権力を掌握した殺人者や、狂人たちによって支配された独裁の時代に私たちが生きていることをまだ理解していない人々への明確なメッセージであると言えます。これらの者たちは反人道的なイデオロギーを背負っています。ちなみにこのイデオロギーの創造者の一人である、イスラエルの哲学者ユヴァル・ハラリは、公然と次のように宣言しています。

- 権力は人工知能に移され、テクノロジーが世界を支配し、それに応じて人類は滅びるべきだ。

イスラエルとウクライナという2つのテロ国家は、主要テロ国家であるアメリカによって支援され、援護されているのは偶然ではありません。

二つ目の非常に重要な側面はテクノロジーです。私たちはテクノロジーの発展やデジタル化を喜ぶ一方で、その裏側について考えることがありません。つまり、テクノロジーは殺人の道具となりうるだけでなく、私たちを奴隷化し、事実上、テクノロジー中毒にさせる可能性があるということです。テクノロジーは私たちを監視し、制御するために利用されることもありますし、テクノロジーの支配者が気に入らないことがあれば、私たちを破壊するために使われることもあり得るのです。

レバノンでこれほど多くのデバイスが爆発した原因については、現在も調査が続けられています。ある仮説によれば、爆発物は使われておらず、装置自体が特定の信号を受けて遠隔操作によって爆発させられたということです。

技術は人を殺す。 これは極めて重要なポイントであり、私たちは無批判にデジタル化に飛び込み人工知能を無邪気に信頼している。しかし単純な電子機器でさえ殺人の道具となりうる。 私たちはこれに対してまったく無防備である。

しかし、私たちは未だに単純なテクノロジーの暗黒面に対処できていないにもかかわらず、無批判に生活に取り入れている人工知能について何を語ることができるでしょうか。誰かがテクノロジーの暗黒面について警告しても、誰も耳を貸そうとしません。ところが、今、この暗黒面が顕在化しました。そして、これはほんの始まりに過ぎません。テクノロジーが進化すればするほど、人工知能やニューラルネットワークを含め、その進歩は人類にとってより大きな危険や致命的な脅威をもたらすのです。

最後に三つ目のポイントも、技術に関するものです。敵の無人機による攻撃とトロペツにある軍事倉庫での爆発後、多くのTelegramチャンネルがこの倉庫の位置情報を示すGoogleマップを公開しました。これは機密情報ではなく、単なるGoogleマップにすぎません。

私たちは「彼らに地図を作らせておけば、ヒップスターたちが近くの居心地の良いカフェを見つけやすくなる」と考え、Googleを許容しました。そして、Googleは私たちの軍事施設をすべて追跡し、その情報をキエフのテロリストたちに渡したのです。さらに私たち自身も検索エンジン「ヤンデックス」の開発をシオニストであるノシクやヴォロシュに任せました。ヴォロシュは多くのIT専門家と共に、危機的な状況下でロシアを離れ、おそらく私たちのシステムの鍵とコードを敵に引き渡したのです。

つまり、私たちは狐を鶏小屋に入れ、トロイの木馬を街に入れているのだ。 我々は『イーリアス』から何も学んでいないのだろうか? 曰く、"贈り物を持ったギリシア人に気をつけろ"。

かつては、ロシアの小学生なら誰もがこの公式を知っていました。しかし、今では多くの人がホメロスが誰なのか、あるいはトロイの木馬、すなわち「ギリシャの贈り物」が実際に何を意味していたのかさえ知らない状況です。

現在、私たちはこのトロイの木馬、いわばギリシャの贈り物の脅威に直面していますが、それに対して全く無力であり、外部の者に対する基本的な文化的本能である猜疑心を失ってしまっているからです。まるで原住民や未開人のように、彼らが新しい技術的なガジェットを持ち込むと、私たちはそれをただ畏敬の念をもって受け入れ、これが私たちの社会の劣化を意味することなど考えもしません。

ポケベルやラジオ、電話がロシアではなくレバノンで爆発したことに感謝すべきですが、それは今のことであって明日のことではありません。私たちは技術をコピーし追いついたことを誇りに思い続け、自国では生産できないこれらのハイテク機器の供給者に完全に依存しています。その結果、私たちはそれらの機器の内部に何が含まれているのか、どのような部品で構成されているのかすら理解していないのです。

レバノンで起きたことは「最終警告」です。技術の進歩を無責任に賛美し、楽観的なプレゼンテーションで指導者たちを魅了するデジタル化推進派の無邪気な楽観主義を止める必要があります。

レバノンでの出来事を受けて、私たちは細心の注意を払いロシアの主権という観点も含めて、徹底的な安全審査を行った後でなければいかなる技術革新も導入すべきではないのです。

翻訳:林田一博