「多極化への移行完了」

04.04.2024

親愛なる友人たち、こんにちは。

この度はお招きいただき、ここに立てることを大変光栄に思います。

この多極化フォーラムへの参加は、私にとって貴重な機会です。このフォーラムは、長らく西側世界で議論されてきた、一極集中からの脱却という移行期が終わりを告げたことを祝っています。この移行期は、多くの社会によって長期にわたるものとされていましたが、私は深い満足をもって、その転換期が既に終わったと言えることを嬉しく思います。

多極化は国際関係の現実となりました。多極化はこれからも続くでしょう。この世界をより良いものに変えるために、私が提起するデータや事実は、反論の余地がないと信じています。西側が他国を支配することができた時代は、500年以上にわたり利益をもたらしました。この支配は、不公平な競争優位によって実現され、他国の発展を妨げました。世界人口の20%が収益の全てを独占し、残りの80%は貧困、災害、戦争の中に置き去りにされました。スペイン、次いでイギリス、そしてアメリカによる覇権主義がこの時代を特徴づけました。

しかし、その時代は終わりました。

新たな力が現れたのです。これには経済や技術の新たな大国だけでなく、中国、ロシア、インド、その他多くの国々が含まれます。これは国際関係における方程式を根本的に変えました。中国が現代世界の主要経済国であり、世界140カ国以上の主要な貿易相手であることは周知の事実です。これらの国々に対する投資も、中国が行っています。その一方で、アメリカの経済は衰退しています。そのため、経済的な福祉を維持する手段として、戦争に訴えることが増えているのです。

ロシアがかつて消滅した国と見なされていたことを、私たちは覚えています。1990年代には、ロシアはもはや存在しないと言われました。

フランシス・フクヤマは「歴史の終わり」について、ロシアを含まない歴史について語りましたが、ロシアは世界の均衡を実現する上で重要な役割を果たしてきました。18世紀半ばの戦争の時から、ロシアは存在しないと言われ続けましたが、以前には想像もつかなかった力とパワーで蘇りました。特別軍事作戦開始後にロシアに対して課された全ての制裁にもかかわらず、ロシアはより強く、より団結することができました。これは、アメリカやその他の地域の科学コミュニティを驚かせました。現在、ロシアは中国の台頭とともに、完全な主導権を握っています。

私たちは灰から蘇ったロシアを目の当たりにしています。そして、インドが成長し、ほぼ世界第三位の大国になろうとしているのを見ています。しかし、問題は、第二次世界大戦の結果に基づいて誕生した国際機関、国連システムが、その現実を反映していないことです。それが、世界中の声明や否定的なコメントにもかかわらず、国連がガザ地区で起こっている流血の大量虐殺に終止符を打てない理由です。世界中で見られる現象に、誰も注目しません。西側で出された声明、実際にイスラエル政権による大量虐殺を容認しないと言っている声明に、誰も気づいていません。これらの変化は、非常に重要だと私は信じています。

私たちは新しい時代に生きており、ヘゲモンの圧力なしに、誰の支配も受けずに対話を維持できるという事実には、重大な意義があります。私たちの世界がより良く、より強くなり、自立するためには、国際機関を改革し、ルールに基づく世界秩序と呼ばれるものを避けなければなりません。なぜなら、この世界秩序はルールに基づくのではなく、西側、主にアメリカの支配に関心がある人々に基づいているからです。新しい世界秩序を必要とするアメリカは、ガザ地区での血なまぐさい紛争に終止符を打ち、ウクライナで追求されている政策に終止符を打つために、国連システムを改革し、新しい国際機関がより多くの勢いを得られるようにする必要があります。

1990年代のアメリカの研究、ランド研究所によれば、この政策はロシアを標的にしていました。

これは公然と述べられました。ドゥーギン氏はこれらの文書をよく理解していると思います。これはウクライナの主要政策として掲げられた目標であり、西側がウクライナに資金と装備を提供している理由です。しかし、西側の思惑は、ウクライナがロシアに勝つのを助けることではなく、ロシアに血を流させる事です。しかし、ロシアを弱体化させようとした者たちは、敗北したのです。

ご清聴いただきありがとうございました。

フォーラムでの皆さんの成功を心からお祈りします。

翻訳:林田一博