アレクサンドル・ドゥーギン「モスクワ地方へのUAV攻撃は、また新たな幻想の数々を破壊した」

12.09.2024

ロシアに対する大規模なUAV攻撃が発生しました。モスクワ地域も含まれ、残念ながら犠牲者が出ています。

今夜、複数のUAVが首都に向かって飛行しました。モスクワ周辺では防空システムが活発に作動していました。

この出来事は異常でしょうか?残念ながら、そうではありません。モスクワはロシア全体と同様に前線の都市であり、誰もが潜在的に攻撃の対象となり得る状況にあります。

モスクワ近郊の快適なアパートで安らかに眠りについたとしても、二度と目覚めないこともあるでしょう。戦争はますます国内に浸透しており、クルスクについては言うまでもなくベルゴロドで何が起きているかは広く知られています。

この段階で「なぜ彼らは我々を攻撃するのか?」という問いを投げかけることは意味がありません。今や全ては明らかです。戦争は真剣であり、不可逆的であり、永続的です。戦争は私たちを死の淵に立たせ、その死は一度触れた者にとって永遠にその存在を感じさせます。戦場であれ、平穏なアパートであれ、街であれ、高速道路であれ、一度死に直面した者はその後ずっとその影響を感じ続けるのです。

事故死は避けることができ、何らかの説明がつけられるかもしれません。
しかし、戦争に伴う死は私たちの心の奥深くに入り込み、もはや無視できない現実となります。

日々ほぼ日常的に死は私たちの中に深く入り込み、その影響は過去、現在、未来にわたって感じられるようになります。自分自身の有限性に今ここで向き合うことを強いられ、これによって私たちの存在は新たな次元を得るのです。

これはドンバスですでに起こったことです。そこでは深い変革が始まりました。徐々に、ロシア全体がドンバス化しているのです。

UAVによる今回の攻撃は、また一つの幻想を打ち砕きました。多くの人々がまだ何も理解せず戦争の終わりを待っていましたが、これは致命的な誤解です。私たちは、戦争が続くことを理解しなければなりません。そして、その事実を完全に受け入れて初めて、社会は勝利への道を歩むことができるのです。

今後戦争が終わるのではなく、むしろその激しさが増し、規模が拡大してより長期化していくことが予想されます。すべての力、知恵、資源、感情が最大限に動員されたときに初めて、私たちはこの苦痛と死の存在感を乗り越えて、勝利の地平線を見据えることができるのです。全員が勝利に貢献しなければその勝利は訪れません。勝利は神からの贈り物であり、偶然の産物ではないのです。

今なぜ我々は戦争をしているのかという議論は無意味です。我々が戦争中であることは事実であり、勝利なくして戦争から脱出することはできません。戦争に参加するしかないのです。

もちろん、今夜のような攻撃では誰も屈することはなく、交渉に応じることもありません。次のエスカレーションは、まだ戦争の深刻さに気づいていない者にその現実を認識させ、さらに社会の軍事化を促進する結果をもたらすだけです。

翻訳:林田一博